『禁じられた楽園』 by 恩田陸
アートとホラーの融合といえば、篠田節子の『神鳥(イビス)』がまず心に浮かぶが、本作もそれと同カテゴリーに整理される作品だと思っていただいてよい。
筆者曰く、『パノラマ島奇談』の現代版を作りたかったということであるが、なるほど、途中までは映像化まで視野に入れて、非常によく練られた展開だと思う。若者たちの心に巣食うトラウマ(猟奇事件など)、サブリミナル、恐怖のビデオ、謎の財団からの資金供給など、現代風の素材を作者一流の技巧で料理し、エッシャーのだまし絵のごとき現代のパノラマ島まで、ハラハラドキドキさせながら読者を導く。が、最後がいただけない。なぜ、あんなマイルドな結末になるのか?それまでのゴシック的世界が最悪の形で一気に破綻する。無理矢理感がありすぎて、非常にもったいない作品になっている。乱歩へのオマージュを謳うなれば、その狂気の果てまで読者を導いてほしかった、というのが一読者としての見解である。むしろ、そこまでの狂気は持ち合わせていないなら、こんな挑戦はやめていただきたい。途中までの期待感と読後の失望感のギャップが非常に大きい作品である。
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