2010年10月3日日曜日

ルポ資源大陸アフリカ

毎日新聞記者・白土圭一氏著。副題が「暴力が結ぶ貧困と反映」
ここにあるのは、信じられらないくらい荒廃しきった暗黒大陸・アフリカである。
 南アフリカ、モザンビーク、ナイジェリア、コンゴ、スーダン、ソマリアの各国をピックアップし、「資源大陸」の裏側で何が起きているかを克明にルポ、ここまでアフリカの深部に切り込んだ作品は非常に貴重である。しかもかなりリスキーな取材もこころみている。
 一時期ネット上で「世界一危険な都市 ヨハネスブルグ」が話題になったが、(確かに先ごろのW杯で被害にあった外国人観光客・記者は数多くいれど)そんなのはまだまだ序ノ口だと思える。ここに出てくる国や都市は明らかに我々の認識しうる危険の度合いを越えている。行政機能を失い、人口と建造物が放置され、処理されないゴミの山の中、人が生活するコンゴのキンシャサ、無政府状態が続くソマリア、オイルパイプからの原油盗難が半ば黙認され、漏れた原油で土地が全く使い物にならなくなったナイジェリア、資源で得た富の大部分を国防・警察・諜報に回し、インフラ整備や教育にはほとんど還元されない究極の人権抑圧国家・スーダン。いずれも、「北斗の拳」もかくや、の終末的世界である。が、同時代的にこの地球上に存在することを忘れてはならない。そして、これらの国々から生み出される資源を我々もまた享受していることを。

現代アート事典

美術手帖編「現代アート入門講座」。
 そもそも現代アートとは何か?その源流はドラクロワ説、クールベ説、モネ説など諸説あるが、「線と色彩」「主題」の問題、どちらの視点を切り口にするかによってもその起源は異なる。そして、その辿ってきた道のりは一直線ではあり得ない。多岐に分裂・細分化を繰り返し、紆余曲折を重ね、最終的にどの方向へ向かっていくのか誰もわかりえない。ただ、時代の節目節目にキーマンが登場し、世界の大きなキャンバスにシミを落とす乃至は世界の裏庭に得体の知れない造形物を置き、我々に疑問符を植え付けて立ち去ってゆく。
 本書で国内外を問わず、様々な主義主張・手法・アーティストがぎっしり一冊に詰め込まれているが、これだけ多彩な種類を紹介されたのち、冒頭の「現代アート」の定義に対する問いに対しては、リチャード・ハミルトン(Richard Hamilton, 1922-, UK)の1957年の書簡のこのフレーズが最もしっくり来る。
"Pop Art is: popular, transient, expendable, low-cost, mass-produced, young, witty, sexy, gimmicky, glamorous, and Big Business"
(ポップ・アートとはウケがよく、一時的で、使い捨ての、低予算の、大量生産された、若者向けで、気の利いた。セクシーで、いかさまアリの、グラマラスな、金儲け)