2008年8月31日日曜日

Beijing08総括と今後の展望


Ⅰ.掘り出しモノ選手
Britta Steffen(Germany, 22);
 50m, 100m自由形の金メダリスト。思えば同じ熊本のホテルに滞在してたんだなー、と。
こんなに綺麗かつ強い、そして(おそらく)性格も良さそうなアスリート、めったにお目にかかれない。4年後も見たいが年齢を考えると今回がピークか。とにかく2冠は素晴らしい!おめでとう!!

Ricky Rubio (Spain, 17);
 銀メダルだったスペイン・バスケットチームのPG。決勝ではUSAドリームチームをあわやのところまで追いつめたが、それもNBA経験がなく未知なる存在であったこの超新星が掻き回したのが大きいのではないか。年齢が倍ほど違うJason Kiddとのマッチアップは見ものだったし(どちらも闘志剥き出し)、近い将来NBAのコートで活躍する姿を予感させた。4年後はチームの柱としてリベンジに燃えてくるであろう。

Ⅱ.星野JAPANについて
 北京を語る際これだけはどうしても避けられまい。怪我や不調を考慮せず、情にまかせる選手起用、せっかくスコアラーが世界各地でかき集めてきたデータを生かせなかった首脳陣、国際ルール対応できない、そして、チームとして機能しない寄せ集めの選手達、そして失敗体験によりどんどん委縮する一部選手...マネジメントのBad Caseとしてこれ以上ない素材が揃っていた。野球とは一流選手だけ集めても勝つことのできないゲーム、という本質が今回露呈した。WBCも控えるが、現在の指揮官、体制のもとでは、同じ過ちを繰り返し、召集された選手及び日本球界の価値が下がる一方。大きな舵切りのタイミングであろう。

Ⅲ.USA Dream Team 08について
 星野JAPANとは対照的に過去の失敗体験を糧に頂点を掴んだのが彼ら。周知の事実であろうが、選手達はNational Teamの一員になるにあたって、誓約書を書き、キャンプを繰り返しTeam buildingをしていった。Rebron, Kobe, Kiddらスター選手が選出されたが、それはあくまでも彼らのLeadershipを期待してのもの。確かに今回の彼らは明らかにチームとして機能していた。そんな彼らも決勝は青息吐息。世界全体のレベルは格段に上がっている。(フィジカル的にはユーロ圏勢が明らかに優位)USとて、2年後、4年後と頂点に立ち続けるには、常にTeamをInnovateしていかなければいけない。


Ⅲ.

2008年8月24日日曜日

人生とはゲームである

 この夏最後の貴志祐介、この夏最後のホラー、そしてこの夏最後のエンタメ系『クリムゾンの迷宮』。
 現在の著者の評価基軸になっているらしいことから、ぜひとも押さえておきたかったのであるが、一夜にして完読。巷の評判どおり全体を覆う印象は「バトルロワイヤル」meets 「SAW」。それでいてオリジナリティと知己に溢れている。何よりも嬉しかったのは昔ハマった"ゲームブック”がそのプロットに大きく寄与していたこと。これは自分と同世代ならノスタルジーに浸れること間違いないであろう。
 ゲームブック全盛の20年前、自分は知らず知らずのうちに人生のアルゴリズムを勉強していたのか。実際の人生は選択の連続である。食屍鬼(グール)こそ出てこないものの、時間的・体力的その他各種制約から取捨選択を迫られる場面の連続である。そして、最後に見るのはBad End, Happy End, True Endのいずれか。暴力が支配し荒唐無稽になりがちなこの種の物語にも、筆者はゲーム理論やサバイバルの心得(大事なのは①水②シェルター③暖④食糧とのこと)、そしてお得意の外来種生態などインテリジェンスを散りばめている。また、この手の物語が陥りがちな「人生の意味を再確認する」メッセージ一辺倒の単調さを、リスク管理(元保険会社勤務の性か)やルール・アイテムの持つ意味の再考など冷徹な視点をもつことにより忌避している。
 ゲームとリスク。悪鬼のみならず、この2つもこの夏の読書でフックされまくったキーワードであった。

2008年8月22日金曜日

プロットの妙

 先日の「新世界より」以来、この夏は矢鱈滅多と悪鬼・魔物づいていた感がする。(でなければ、100m決勝があんな風に映るわけがない)その真打ちが、今から約100年近く前に著されたにもかかわらず、未だ燦然たる輝きを放つ不思議な書「巨匠とマルガリータ」by ブルガーノフ。
 ロシアのルイス・キャロルというべきか、20世紀のドストエフスキーというべきか、この物語はとにかく1930年代の人々の堕落と腐敗を容赦なく切り刻んでいる。キリストの死(キリストの実在もこの物語のサブテーマでもある)と現代が物語内で並列に進行する構成は、パゾリーニの「豚小屋」を想起させる。また、ある日アパートや公営劇場に闖入者がやってきて、そこの住人或いは従業員の生活を滅茶苦茶にする、というストーリーはカフカや公房の小説のデジャヴのような感もある。この物語の芯になっているのは、神を信じないなら悪魔に身を委ねよ、という単純明快なメッセージ。結局、人の意思は目先の利益、せいぜい自分の人生の範疇しか捉えられないほど貧素であるが故、大局的に万物を司る神的存在が必要なのである、ということか。
 「新世界より」の世界設定も想像を絶するものだったが(と同時に著者の難産ぶりも窺えた)、この物語内舞台設定(劇団がモスクワにやってきてアパートの一室を借り公演をする)、期間設定(実質4日間)もまた絶妙。この具体的なプロットがドストエフスキーやカフカのような暗さを打ち消し、むしろキャロルのメルヘン世界を見ているような喜劇調に物語を持っていっている。(あとがきで分かったことであるが、ブルガーノフはもともと演劇畑の人間)
 20世紀初頭のロシア文学としては驚異的なほど現代とシンクロし、かつエンターテインメント性に富んでいる。

2008年8月21日木曜日

Boltの夏

凄過ぎて言葉にならない、とはこういうことか。200の決勝でかの"Lightning Bolt"は完全に別次元にいた。
不滅の金字塔と思われたMJの記録を0.02上回る19.02。(しかも向かい風?)
100では最後横向き、悪鬼の降臨を思わせるフィニッシュだったが、200では最後まで全力。(あのBoltにそうさせるほど、MJが偉大ということか。思い起こせば96アトランタのMJは神がかっていた。ちなみに、昨日のレースで米・放送の解説席にいた彼が、動揺のためかイヤホンをうまく付けられない姿には笑った)
しかし、五輪の100、200両方で世界新とは。。。まさに新人種Boltお披露目ための北京五輪となった。

2008年8月17日日曜日

人類新時代

何とか折り返し点まで来た北京五輪。
 水泳・柔道・体操など白人系・黄色人種系の世界がフェードアウトしていく一方、ここからは陸上などいよいよ真に人類最強を競うイベントが目白押し、主役の人種も国籍もガラリと一転する。
 そして、今晩そのクライマックスというべき男子100m決勝、見た人の多くは、私を含め、口アングリだったに違いない。主役の名はUsain Bolt (ニックネームは"Lightning Bolt")。ぶっちぎりのWorld Record 9'69"もさることながら、驚くべきはラスト30m、勝利を確信したのか横向きになり、手を広げて勝利のポーズ、或いは手で胸をたたきアピールなど、完全に一人「魅せる」ステージに入っていたこと。こんな100m決勝、記録樹立、記憶にない。人類初の9秒6台がまさかこういう形で更新されようとは。。。これは正しく衝撃映像の部類。改めて見てみると、一連の動きは人類の祭典に降臨した悪魔か何かが、力をまざまざと見せつけ人類を嘲り笑っているかのようにも見える。(もちろん至って陽気なJamaicanの若者に邪気はないのは明白だが)これぞ人類の祭典が神々の祭典に昇華した瞬間であったと思う。

 今までテロ・環境の悪さなどネガティブ面が多く、どちらかというと自分は北京五輪には懐疑的であったが、このレースだけで『2008五輪 見れてヨカッタ―!』と声を大にして言いたい。

2008年8月11日月曜日

永遠のテーマ

この夏、完全にはまってしまった貴志祐介氏の第3弾は、今年上梓されたばかりの『新世界より』。
上下合わせて1000頁超の大作であったが2日で完読。

 読後、支配しているのは現在の人類及びその活動の脆さと儚さ。何しろ2000年先の読者に向けた1000年後の物語なのだから。超能力・超自然的なものへの依存、種の保存、戦争、そして何より歴史の記録、などなどひとつひとつの人間活動を一種ありえない設定上の物語で問いただそうとしている。想起されるのは、「AKIRA」や「鉄コン筋クリート」(「悪鬼」のくだり)など。

 主人公は物語の中で、少女から女性、最後は中年にまでなるが、単なる強い正義感を持つうざいやつかと思いきや、最後の最後にブラックな側面を発揮。秩序に反して閉塞した状態にケリをつける。(これは「天使の囀り」のラストで冷凍保存の恐怖の線虫を手にした主人公の行動とダブる。)また、様々な生物が変異して人間を襲ったり、奇態を見せるのも面白い。(普段、筆者はどういう目で生物を見ているのであろう?)また、物語の中で重要な意味を持つ猫と鼠、それぞれ人間の駆除役と下僕として描かれるが、まさに油断してれば寝首をかかれる非常に身近に存在する危険である。
 こうして平和にBlogしている間にもロシアとグルジア、中国ウィグル自治地区など紛争の火種には事欠かない。彼らに限らないが、より多くの人類に千年先を想像する力があれば、世界は変わるのでは、と思ってしまう。

2008年8月6日水曜日

Google Street View

 以前から慢性的に痛みの合った足の付け根を直すべく、初の針治療体験。針自体はさほど痛くないものの刺されているという恐怖感(?)と電極をつかった低周波攻撃(10分程度)がこたえる。即効性はないものの知らず知らずのうちに痛みがとれるとのこと。とにかく4、5日は安静にしよう。

 さて、話題はガラッと変わるが、巷で噂のGoogle Map日本版の新機能、Street Viewを初使用。Google Japanの説明では、公道からの撮影のみで、ボカシを入れるなどプライバシー対策には抜かりないとのことだったが。。。開けてびっくり!いくらボカシ処理をしているとはいえ、表札と車のナンバーが判別できる箇所も多数。家の前で水巻いたりしてるのは明らかにその家の住人だろう。とりあえずのサービス提供箇所は首都圏、京阪神など大都市のみであるが、果たしてこれによって、いくばくの人が社会的にPositiveな意味での価値を生むのか?悪用されないように願う、といってももうサービス開始してしまった以上手遅れ。
 それにしても、何の前触れもなく一企業の一存でわが家の映像がネット経由で世界に配信される、恐ろしい時代になったものである。(ますます住所等の個人情報に対する警戒感が喚起される可能性大)

2008年8月5日火曜日

経営指標のまとめ

Nikkei Business 7/28号より

①EVA=NOPAT(税後利益)-調達資本コスト*1
*1 WACC×(ⅰ.株主資本に対する自己資本コスト+ⅱ.借入金等負債に対するコスト)、加重平均。
+であれば付加価値を生みだしているといえる。

②ROIC=投下資本から得られる利益÷特定事業への投下資本

③FCF=営業利益×(1-t)+減価償却費-CAPEX*2-Net Working Capital*3
 *2 追加設備投資 
 *3 追加運転資本  

④ROAに適した企業:Asset-oriented company (ex. 電力、通信、建設、商社、不動産)

⑤ROE=R÷E=収益性×資本効率×財務Leverage(=利益率×総資産回転率×Levarage)
    =(Return/Sales)×(Sales/Assets)×(Assets/Equity)
  分解することにより改善のための糸口をつかむ