2008年12月31日水曜日

最大限の寛容と忍耐

「死の棘」by島尾敏雄読了。
 一度はそのあまりの暗さに挫折したが、再度読んでみても非常に気が滅入る小説である。時には、主人公(=筆者)の妻の言動に腹わたが煮えくりかえりそうになる。が、確実に得ることのある小説である。
 そもそもこれだけ妻にやんや云われると、離婚こそが今日的には最も全うな選択肢に思えるが(最悪どちらかの死という結末もありうる)、それを敢えて選ばない筆者のは愛の深さか。
 昨今では、仕事でも家庭でも神経をすり減らさないためのマネジメントに重きが置かれているきらいがあるが、この小説のように正面から向き合うことによって愛や自分のやりたいことを確かめることも人生に悔いを残さないひとつの手である、ということを諭してくれる書である。(非常にリスキーであるが…)

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