少々古い話題を2本ほど
①三菱商事がイオンの筆頭株主に
この大手商社系による小売業再編は誤算の産物(by 日経ビジネス)といわれる。すでに破綻の兆候が明らかなイオンの推進してきた「総合小売業・金融事業・不動産事業」三位一体型SCモデル。(まちづくり三法、貸金業法改正、さらに金融危機によりとどめを刺される) 彼らの過ちの出発点は欧米のような郊外型SC展開を日本でも志向した点(ある程度成果はあったと思われる)、そして加速させたのが外資の脅威に過剰反応し、不良債券の塊のような一昔前の小売チェーンを買いまくったことである。もう片方の雄、7&i がドメスティック市場に特化に執心し、ヨーカ堂、セブンイレブン、PRICEとセグメント別に体系立てた戦略を取っているのに対して、イオンはMaxValu、ジャスコと看板以外ほとんど違いがないブランドをグループ内に保有する。(これは一例であり、急な拡大戦略は他にも利益相反するブランドを抱え込む結果となった。)また同じモールでも「ららぽーと」ようにロケーション毎のコンセプトが明確ではなく、そこに土地があったからとりあえずおさえたとでもいわんばかりの場当たり的な開発が見え隠れする。(結果としてどこのイオンもサイズ以外に大した差異はない。)
片や、三菱商事は大手商社の中でもM&Aに関しては慎重派。ローソンを傘下に持つ利点を生かした物流面での効率性、食の安全に関する高まりやグローバルネットワークを梃にした商材供給、海外展開等の面でメリットがあるとの読みが今回の引き金であることは確か。今回の決断は、商社等中間搾取を極力避け、低価格を実現してきたイオンの従来戦略とは対角をなす。イオンは先述の3つの柱のうち、まず小売業のビジネスモデルの転換を求められるのは必至。まずダイレクトに消費者に評価を仰ぐ分野から改革に踏み切ったとも言える。
②新日本石油による新日鉱の買収
消費者サイドからすれば、JOMOとENEOSブランドの統合。石油業界にとってはこれほど世界経済に振り回された年もないであろう。原油価格の乱高下と各GSの仁義なき価格戦争のあとに残されたのは、淘汰された体力のない販売店の後処理問題と、「業転玉」による価格の仕切りという業界の構造的問題。後処理問題とは、汎用性が低くかつ貯蔵庫という時限爆弾(経年劣化による有毒物の漏えいの虞ある)を抱えたスタンドの跡地の取扱の問題。構造的問題とは、不要になったガソリン(製造過程で灯油等と同時に一定の割合で生産されるため需給バランスが取りにくい)を元売りが業者に転売、そして彼ら(いわゆる「業転玉」)が割安で販売することにより、価格戦争を主導する、という歪んだ構図である。一部大手元売りが卸値を「コスト積み上げ方式」から「市場連動方式」に変えたこと(それが今年だったのは最悪のタイミングであったといえる)も、販売店網の不信と壊滅に輪をかけた。今回の統合劇はコスト競争力で圧倒しなければ危ないという喫緊の思惑が合致した結果といえよう。
すでに都心では車離れが進み、それを逆手にとりレンタカー拠点に業態転換を図ったしたたかな旧スタンドもあるようだ。この車離れの問題については近いうち別の機会に検証したい。
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