以前にも登場した『闇金ウシジマくん』。
entry 「最近の漫画」
今年のスピリッツでの連載の大半を占めた「楽園くん」編が遂にエンディングを迎えた。ファッション雑誌の読モになる、という刹那的な夢を追って都心に出てきた若者の波瀾万丈記、なんとも甘酸っぱく切ない幕切れであった。終わってみれば個人的には「フリーターくん」「サラリーマンくん」に匹敵する名作・大作であったと思う。毎週の漫画誌発売日を楽しみにするなんて中学時代以来のこと。主人公・センターTこと中田君に触発されて、マジでオシャレな服でも買ってみようと思ったのも何年ぶりだろうか(本当、いい年して馬鹿な自分)。そしてこの2009年、クサナギ、のりピー、押尾、市橋らがお茶の間の主役となった現実と微妙にシンクロしながら進行していくという奇跡のような展開も面白さに拍車をかけたことに違いない。(実際、事件直後の連載でクサナギを揶揄したリリックが出てきたのには笑った)。婚活詐欺女なんかにしろ、以前のこの漫画でデジャヴ的要素満載だし(肉まんま?)。本編を通じて感じたのは、以前と比べて人間味のある登場人物が増えたこと。悪役も以前よく出てきた理解不能のアウトロー、というだけではなく親しみある人間を「ちゃん」づけし、時には弱みも見せて「こいつ、実は面白い奴では?」と思わせるいかにもいそうなタイプになってきている。よりリアリティのある話に仕上がった、というのは決して現実とシンクロしただけが要因ではない。作者がストーリー、人物描写とあらゆる面で円熟の極みに達した証しでもあろう。
そして今週からいよいよ始まった新シリーズは、その名も「闇金くん」。ここ最近、狂言回しに徹していた本来の主人公・ウシジマが久々に物語の中心となる。ゲームでいえばラスボス登場、この漫画もいよいよ終焉に向かって動き出したことを告げるオープニングであった。また、毎週月曜を楽しみにする生活がしばらくは続きそうだ。
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