2009年4月27日月曜日

最近の漫画

「闇金ウシジマくん」(真鍋 昌平、2004~ ビッグコミックスピリッツにて連載中)

 日本というのは漫画が世の有象無象を斬り、娯楽としての域にとどまらず、文学としての役割を担っている
特異な国だ。だからこそ、老いも若きも、果ては首相までも夢中になる。そんな国のひとつの到達点というべき作品か。00年代後期、この病んだ国に住む人々の生態を描写し、いわば下層人間の生態図鑑ともいえるこの作品。連載初期は過激な暴力描写と救いなきストーリー展開で、まるで添加物ごってごての後味の悪いコンビニ弁当のような話が多いが、次第にスルメのように、噛めば噛むほど味が出る作品へと変遷を遂げている。(転機は「フーゾクくん」編あたりか?)
 個人的に一番好みなのは、「肉蝮」や「豚塚」ら強烈Sキャラの祭典となった「ギャル汚くん」編(でも、一番残酷なのは樹海でギャル汚を縛り虫寄せのハチミツをかけるウシジマ!)。そこから「フリーターくん」編(35歳でゲーセンだけが輝ける場ってのもつらいな~)、「サラリーマンくん」編(漫画で涙腺が緩んだのはいつ以来だろう…)に至る流れが秀逸。徐々にウシジマが前面から引き、そのシリーズの主人公(生贄?)の一人がたりがストーリーを引っ張ってゆくようになってきている。
 90年代はサイコ的な人間の中に巣食う魔物を取り扱った作品がもてはやされた時代であったが、今やネットの普及により、誰しもが自らの暗部をさらけ出し、また他者の暗部にも身近に接することができるようになった。むしろ、格差社会といわれる現在、自分と違うクラスターの人間のリアルな生態に、特に闇金に手を出すような稀有(なのか?)な人間の生態にこそリアリティとエンタメ性を見出せる時代だといえる。
 「ウシジマくん」も最近は安い命の強烈キャラが少ないような気がする。そろそろ、社会問題とは別次元で暴れまくるキャラが見てみたい。(肉蝮の再登場に期待!)

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