2009年12月30日水曜日

昭和の名残

 名古屋には昭和の香りを残した商店街や路地が点在する。
 その代表格が吹上から滝子にかけて昭和区を南北に貫く「郡道」である。(正確には千種区の古井坂から南区の呼続まで) 1909(明治42)年に完成したというから、奇しくも今年100周年を迎えたわけだが、その沿道の佇まいはこの一世紀の人々の営みを我々に伝える生きた教科書である。
 その昔、名古屋が「古井坂村」「御器所村」など村に分かれていたころ、それらを結ぶ「愛知郡」の主要道路として供用された道路であり、今も交通量は多い。一応、片側一車線の対面通行であるが、昔の街道ゆえ、両脇の家屋兼店舗や電柱の圧迫感があり、東京や京都の道路並に狭い(下手すれば名古屋市内の一通の道より狭小)。ここは車よりも、徒歩あるいは自転車での散策をおすすめする(もちろん通行車両には十分きをつけて)。
 さて、気になる沿道の顔ぶれだが、まず外せないのが昭和の家屋風のコメダ珈琲店。今や東京・大阪にまで進出し、駐車場完備の路面店が主流のコメダ。が、ここ郡道沿いのコメダは、下手すれば民家として通り過ぎてしまうほど、ごくごく沿道の昭和の景色にマッチしている。そして奥にいくにしたがって、理容店、町の電気屋、金物屋、写真スタジオ、洋服店(ブティック)などノスタルジーを禁じ得ない店舗兼家屋のオンパレードである。沿道にはドラッグストアはあるが(かなり浮いている)、コンビニはない。そして、地方都市でありがちなシャッター街でもない。多くのお店は今も地域の住民の生活とともに歩んでいると思って間違いない。想い起せば、私の故郷でも幼少時は、こういったお店が元気であったし我々の生活を支えていた。こういった道並びに沿道の賑わいは本当に貴重であり、末永く保存しておきたいものである。

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