貴志祐介「天使の囀り」。
夏になると無性にホラーが読みたくなるが、今年はこの一冊が早くも浮上。(過去には小林泰三「玩具修理者」、瀬名秀明「Brain Valley」、篠田節子「夏の災厄」など)
映画化された「黒い家」など、どちらかといえば社会派のイメージが強かった筆者であるが、今回はバイオ・ホラー(上梓されたのが98年だから流行でもあったのであろう)。あとがきで瀬名秀明に「嫉妬する」と言わしめたその筆力・取材力はさすが。特にサイド・ストーリーの軸になる2次元オタクの青年の「生態」描写は(アキバ系がこれほど一般的になる前書かれたことを考えると)リアリティに富み秀逸である。線虫というマニアックな生物など目のつけどころにも感心する。とにかく虫や軟体動物が好きな人、2次元系オタクの生態に興味のある人にはおススメ。そうでない人ももちろん十二分に楽しめるはずである。
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