「幸福論」by ショーペンハウアー(Arthur Shopenhauer,1788-1860)
再読。
前半あらすじ;人間の根本規定を
①人のあり方
②人の有するもの
③人の印象の与え方
に3分類し各論展開。筆者は何事も3つにカテゴライズすることが好きらしい。人生の財宝を①外的財宝②心の財宝③肉体の財宝に分類したアリストテレスへのオマージュか。社交や娯楽(時代が時代なのでトランプ)を虚しいものと糾弾し、個人の内面的活動を持ち上げる持論展開は、ツッコミどころもありなかなか面白い。が本筋以上に書の中で輝きを放ち、心に刺さったのは古代哲学者の珠玉の言の数々。
以下、列挙。
「自然(人間の肉体含む)は頼りになるが資産は頼りにならない」(アリストテレス)
「人間を不安にするのは事物ではなく、事物についての意見である」(エピクテートス)
「およそ愚かさは自己に対する嫌悪に悩む」(セネカ)
「愚者の生は死よりも苦しい」(シーラッハ)
(他方、「知恵多ければ憤激多し」〔伝道の書〕)
「精神活動を伴わぬ余暇は死であり、生きながらの埋葬である」(セネカ)
(他方、「幸福は余暇にある」アリストテレス)
「富は海水のように飲めば飲むほど喉がかわく」(不明)
「海を渡るものは心を入れ替えるのではなく気候を入れ替える」(ホラティウス)
(「旅をすれば話題ができる」アスムス、1740-1815、独の詩人)
~どちらも『百聞は一見にしかず』と類似
他に筆者の3つに分類したものとして興味深いもの
Ⅰ.三つの生理学的な根本能力に基づく享楽:
①再生力の享楽(食事・睡眠等)
②刺激感性の享楽(遊戯・格闘等)
③精神的享楽(読書・芸術等)
Ⅱ.欲望の三分類 ※エピクロスと同様
①自然かつ必要な欲望(食事・睡眠等)
②自然but不必要な欲望(性欲)
③自然でも必要でもない欲望(奢侈、栄華、耽溺)~無限
Ⅲ.三つの人の内面的価値観
①誇り(寡黙により満たされる)
②虚栄心(饒舌により生まれる)
③名誉欲(人間関係、法関係等による)
後半「訓話と金言」「年齢の差異について」に関してはまた後日(時期未定)。
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