『インテリジェンス 武器なき戦争』(手嶋龍一+佐藤優 2006幻冬舎)
インテリジェンスすなわち諜報の入門書という位置づけでありながら、随所に処世のヒントが散りばめられている戦略本としても使える。
本書によれば、インテリジェンスの最大の使命はどこよりも早く精度の高いインテリジェンス(情報)を入手することに尽き、そしてそれが広がる前に如何に俊敏かつ的確に外交政策に織り込むかが、その国のインテリジェンス能力とのこと。果たして日本のインテリジェンスの力量如何。「軍事小国はインテリジェンス大国」のテーゼに従えば、日本はインテリジェンス大国然るべきであるが、著者らの見解としては「カウンター・インテリジェンス」(防諜)には圧倒的に強いものの「対外インテリジェンス」(積極的諜報)には滅法弱いとのこと。(他に「宣伝」「謀略」といったカテゴリーもあるが、これらも日本の実力は今イチ)前者が警察管轄であるのに対して後者は外務省主導。基本的には官僚で専属性が薄く捜査権のもたない後者が脆弱なのは当然か。仮に諜報専門機関をつくろうにも、まず箱をつくる(これが典型的官僚思考らしい)のではなく人を育てることから。(ワインをつくる前に袋を作るべからず)外務・警察・法務の省庁間の争議の具にされるのを防ぐため。著者らの志向しているのは諜報大国・英MI6的イメージ。ちなみに、英MI6がHPで募集をかけたのは、アクセスする者のlogをとるためとか。なお、周辺諸国関係においても歴史的経緯と切り離して淡々と「薄っぺらい論理」(「国際法違反」「主権侵害」etc.)で武装すればOKとの見解はCoolだと思う。
0 件のコメント:
コメントを投稿