2009年11月6日金曜日

遠ざかっていくミステリー作家

「ダーク」by 桐野夏生
主人公である女探偵・村野ミロはじめ登場人物のすべてに共感できず。
 「水の眠り 灰の夢」に端を発する村野シリーズの最終版となる本作であるが、ミロの父である村野善三(新聞記者からヤクザの事件屋になった男)が他界、父殺しの嫌疑をかけられたミロが追われ、偽造パスポートまで作って韓国に逃亡、そこでキメ・セックスや偽ブランド商に手を初め、日本人の商社マンにレイプされ、だんだんとアンダーグラウンドの深みにはまっていく、というのが大まかなストーリー。
 行動はすべてにおいて過剰であるが、心理描写が貧弱ゆえ、その行動原理が全く理解不能(例えば、急にレイプされて出来た子供を産みたいという下りなど)である。「OUT」や「柔らかな頬」のような作品はもう描かないのであろうか。これはごまんとある読み棄てノワール小説、即ブックオフ行き決定。

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